芸術作品はおもしろければそれでよいという考え方と、何かそれ以上の思想的意味が必要だという考えがあります。つまり芸術作品には哲学(真)や道徳(善)が必要だというわけです。
なぜたんに面白いだけではダメなのでしょうか。今回はこの問題を考えるために、芸術に対する思想史を社会学者ニールス・ウェルバーの論文[1]から見てみたいと思います。
東日本大震災以降、日本では抗議デモが多く目立つようになってきました。脱原発、秘密保護法反対、憲法改正反対などのデモが記憶に残っていると思います。しかし、ざっとネットを見てみる限り、こうしたデモを肯定的に捉える意見よりも、否定的に捉える有識者の方が圧倒的に多かった印象があります。
しかしデモというものは、日本では珍しい感じがしますが、世界中あらゆる地域で日常的に行われています。だとしたら、デモには何らかの社会的役割があるのでしょうか。それとも感情に支配された群衆のバカ騒ぎなのでしょうか。私は今回、この問題について社会学の進化論的な立場から問題を取り上げてみたいと思います。